防災用のポータブル電源は、家族の人数だけで容量を決めるのではなく、停電中に何の家電を何時間使うかで決めるのが基本です。スマホと照明だけなら500Wh未満でも足りる場合がありますが、冷蔵庫や電子レンジまで使うなら1000Wh以上が現実的な候補になります。
結論:まず1日分の必要Whを計算する
必要容量の目安は、家電ごとの「消費電力(W)×使用時間(h)」を合計し、AC変換などのロスを見込んで考えます。
必要容量(Wh)≒ 家電の消費電力(W)×使用時間(h)÷0.8
実際の変換効率や家電の負荷は一定ではないため、これはあくまで比較用の目安です。停電対策では計算結果より1〜2割程度余裕を持たせると選びやすくなります。
防災で優先したい家電を決める
| 優先度 | 家電例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 高 | スマホ、照明、通信機器 | 少ない電力でも長時間確保したい |
| 高 | 冷蔵庫 | 食品保管のため長時間運転を想定 |
| 中 | 電気毛布、扇風機 | 季節によって重要度が上がる |
| 中 | ノートPC | 情報収集・仕事用 |
| 低〜中 | 電子レンジ、ケトル | 高出力なので使用回数を管理 |
容量帯ごとの防災用途の目安
| 容量帯 | 向きやすい備え | 注意点 |
|---|---|---|
| 300〜500Wh | スマホ・照明・小型機器中心 | 冷蔵庫や暖房家電には余裕が少ない |
| 700〜1200Wh | 冷蔵庫+通信+照明など | 家庭の停電対策で比較しやすい |
| 1500〜2000Wh | 複数家電・長時間停電 | 重量と価格が上がる |
| 2000Wh超 | 長期停電・家庭バックアップ | 据え置き運用も視野に入る |
家族人数より「使う台数」で考える
4人家族でもスマホ4台と照明だけなら必要電力量は大きくありません。一方、2人暮らしでも冷蔵庫、電気毛布、電子レンジを使えば必要容量は増えます。そのため「2人なら500Wh、4人なら1000Wh」と固定するより、使う機器を一覧化する方が正確です。
1日停電の計算例
- スマホ4台:合計120Wh
- LED照明:10W×6時間=60Wh
- Wi-Fiルーター:15W×12時間=180Wh
- ノートPC:65W×2時間=130Wh
- 冷蔵庫:平均100Wとして8時間相当=800Wh
単純合計は1290Whです。1290÷0.8=約1613Whとなるため、この想定では1500Whを超えるクラスまで比較する価値があります。ただし冷蔵庫の実消費はコンプレッサーのON/OFFで変わるため、実際はメーカー情報や消費電力量も確認してください。
1000Whクラスは防災の基準にしやすい
EcoFlow DELTA 3 Plus、Jackery 1000 New V3、Anker Solix C1000 Gen 2はいずれも1024Whクラスで、定格出力も1500W前後あります。スマホ・照明・冷蔵庫・短時間の高出力家電など、複数用途をまとめて比較しやすい容量帯です。
長期停電では容量より再充電も重要
2日、3日と停電が続く場合は、大容量を買うだけでなく、ソーラーパネルや車載充電などで日中にどの程度回復できるかも重要です。EcoFlow DELTA 3 Plusは最大1000Wのソーラー入力に対応するなど、再充電性能にも機種差があります。
購入前チェックリスト
- 停電時に必ず使う家電を決めた
- 家電ごとのW数と使用時間を確認した
- 定格出力が高出力家電に対応している
- 1日分だけでなく停電日数も想定した
- ソーラー・車載など再充電方法を考えた
- 本体重量と置き場所を確認した
まとめ
防災用ポータブル電源は、人数より「使う家電×時間」で決めるのが基本です。最低限なら300〜500Wh、冷蔵庫などを含めるなら700〜1200Wh、複数家電を長時間使うなら1500Wh以上まで比較してください。
まず必要容量の計算方法で1日分の必要Whを出し、その後に停電日数と再充電手段を加えて容量を決めると、過不足の少ない選び方ができます。1000Wh前後が候補なら、1000Whクラスの比較も参考にしてください。

